
それぞれの都市の価値観や美意識を色濃く反映するファッションとランドスケープ、今回はニューヨークを舞台にステイタスを確立した二人のフランス人写真家と、ロンドン から帰国しトウキョウでキャリアを築きつつある日本人写真家による3 人展です。時代の欲望を映し出す鏡"ファッション"、その場所が持つ潜在的な意志や力を抽出する"ランドスケープ"、このふたつのジャンルの写真表現を俯瞰することは、都市のアイデンティティーを検証する作業に近似しています。写真による21世紀的都市論、カラー作品のファッションとモノクロのランドスケープでふたつの都市のスタイルを浮き彫りにします。
全50点展示予定 キュレーション:太田菜穂子 / 岡山修平
イノセントな立ち位置
ファッション写真とは時代を牽引する先端的なスタイルや"理想の状況を現す表現分野である。時として、商品イメージの訴求という制約が作家のクリエイティビティーとは相容れず、写真家に大きなストレスを与える。しかしこの制約こそが、最後の瞬間、写真家をブレイクスルーさせる起爆剤となることもある。
さてソフィーの写真、いわゆるファッション写真とは圧倒的に異なる。俗世間と一線を画した禁欲的、かつイノセントな作風は物欲とは対極に位置するもののように見える。にもかかわらず、作品からは言葉を超えた強い意志が感じられる。何も足さない、ソフィーの寡黙な立ち位置、それこそがソフィーの出したファッションへの写真表現かもしれない。
Sophie DELAPORTE
ソフィー・デラポルト
1971年パリ生まれ。パリで写真と映像を学ぶ。卒業後ロンドンに移り、イギリスのプレスの仕事を経験後、「I-D magazine」に登場。その後「Italian Vogue」、「German Vogue」、「Vogue 日本版」などで数多くのファッションマガジンで活躍。その作風は近年アートシーンでも注目を浴びている。
<主要クライアント> Dior Kids / Dior Shangai / Hermès carrés SS 2010 / LES ECHOS: DIOR / Jean Paul GAULTIER / Vogue ITALY / Vogue JAPAN / Vogue TURKEY / Vogue CHINA / Vogue INDIA / Vogue GERMANY / The observer / Another Man
トウキョウの気色
有機的に変化し続ける大都市、トウキョウはファッションというシーンにおいてちょっと特別なプロセスを歩んできた。20世紀にはパリコレで活躍するクリエイターを多数輩出し、21世紀に突入してからは世界中の同世代をリアルタイムに共感させるポップなスタイリングで影響力を与えている。とてつもない自由さと信じられない身軽さで常に変容するトウキョウ・ファッション、ハスイモトヒコはそんなトウキョウの価値とコードをいち早く見出した写真家のひとりだろう。自分のアイデンティティーをクールに見つめる視線の冷静さと偏見のない視線が見つけ出すトウキョウらしさには、今のトウキョウの気色が色濃く写される。被写体を視界中央に納めつつも主役にはしない、彼の距離感と空間設定にこれからの写真の行方が見えてくるかもしれない。
ハスイモトヒコ
1983年、東京都出身。2003年に渡英。Central Saint Martins Art and Design ファンデーションコースを経て2004-2007年、London College of Communication にて写真を専攻。2007年に帰国。ジャンルの異なるクリエイターとのコラボレーションなど、活動は多岐に及ぶ。
贅沢な時間
人が溢れる都会の風景から人間の姿がすっかり消えてしまったとしたら、私たちはどう感じるのだろう。ジャン=ミッシェルの写真体験はまさにそのシミュレーションになるはずだ。いつもは大勢の通行人のひとりにすぎない自分がこの見事な景色を独り占めしているという感覚、自分の暮らす都会、有名な観光スポットともっとインティメートな関係を持ちたいというわたしたちの潜在願望に彼の写真は見事に応えている。見たいものをゆっくり視る、見たい風景を独り占めする、こんな贅沢が写真によって現実となる。
Jean-Michel BERTS
ジャン=ミッシェル・ベール
科学者から写真家に転身。愛用のローライフレックスで体得した光の効果に焦点を絞った作品づくりは時を待つ事なく、各方面から高い評価を得る。2005年に着手した "City Portrait"はパリ、ニューヨーク、東京へと発展し、現在はさらにベニスへと展開中。
主催:KLEE INC PARIS TOKYO
協力:Corinne TAPIA (SOUS LES ETOILES Gallery) / キヤノン株式会社 / FEMME
GALLERY 21
東京都港区台場2-6-1
ホテルグランパシフィック LE DAIBA 3F
PHONE 03-5500-6711
アクセス
10:00 - 20:00
7 days a week
Admission Free

